ノリ養殖記録日記 平成17年2月

2月28日 昨日は波が残っていたためお休み今日はうまく摘めた。心配していたノリの色は思ったより色が良くなっていた。「海苔タイムス」最新版によると西播地先小型珪藻(キートセロス)で色調低下コシノディスカスも若干増加しているとある。プランクトンがいても栄養塩があれば色落ちは起きない証拠だ・・・
2月26日 一月、二月と季節風が良く吹く年であった今日も北西の風栄養塩が無くなる悪い風である。
明日は沖に出られると思う。悪い予感がする・・・
2月25日 今日のノリと10日前のノリ今日のノリはさて、どっちでしょう。
正解は下が今日製品になったノリです。写真に写すと少し綺麗に見えます。もっと悪いです。
2月24日 今日摘んだノリも色落ちであった。左の写真です。製品にしたら赤茶けた色です。一枚5円から3円の間だと思います。売れる間は製品を作らないと仕事が無い。色のある間はバリカン症で海苔が採れない。少し取れ出したら色が悪く算用に合わない。原因も判明しているのに皆さん知らん顔、日本の現状はこんなものか・・・

今日は情報を増やしています。
2月23日 今日お世話になっている大学から18日の調査結果を頂いた。今は、想像をはるかに超えていたとだけ言っておきます。
 今日作ったノリは赤茶けた、はっきり言って色落ちです。また、今日の神戸新聞に「ノリ育成の環境を予測」という記事が出ていました。後日新聞記事のページに掲載予定
2月22日 今日は2月二回目の共販日であった。先週16日に製品にしたノリの価格が3円台に落ち込んだノリ1枚作るのに約3円の経費がかかる。残りが私の儲け・・・
 知らずに今日ノリを摘んでしまった。明日加工するが色の悪いノリであるのは事実だ。長く伸びているノリはまだましな色だが短いノリはかなり赤茶けた色だ、混ぜて造るから悪い方が強く出る。昨年は2月20日で売れなくなっている。今年はこれでおしまいか?
2月21日 今日は休みが続いたので、かねてからの計画を実行に移した。塩素で海を壊されている2組合に大学から頂いたデータを持って布教活動(?)を実行した。一度ぐらいの説明では理解して頂けないと思うが理解して頂くまで説明に行かせて頂く、ご迷惑と思われても・・・これからだ。
 一つ大きな問題がある。少し前に他の組合長さんと話をしたときに、コンクリート護岸が悪いと言って私の話を聞かない組合長さんがいた。コンクリートは悪いのは分かるが一時的なものである。長くて6ヶ月たつと青ノリや他の海生成物が繁殖してくる。毎日海を見ていたら分かる事だがモノクロラミン(有機ハロゲン化合物)がいかに悪いか、納得して頂くのは至難の業だ・・・
2月19日 前日に載せ忘れた。海況報告、植物プランクトンが増えているような海の色ノリの色も悪くなっていた。普通は降雨があれば栄養塩が回復してノリの色が良くなるのが普通ですが、この海は回復しない海になってしまっている。ダレがこんな海にしたか?関電と姫路市の終末下水処理場が真犯人だ!!“違うと言うなら証明しろ”
2月18日 今日は大学の調査日新体制での調査、
また、この春ご卒業の大学院生の方は2002年から長い間お世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。2/15に修士審査会で発表し、無事合格され。3/24の大学院修了式(卒業式)で大学を巣立っていく予定と博士から聞きました。
 この場をお借りしてお礼のご挨拶に、長い間お世話になり有難うございました。頂いたデータはこの海だけではなく日本中に役に立つデータと思っています。また、この春4年生に成られる方に引継ぎされこれからも調査の続行をして頂ける事になり、感激しています。おかげで今日残留塩素の測定が出来ました。(私がしたものではありません大学生です)数字は載せません大学が発表するまでは、しかし、問題のある全地点で残留塩素が確認されました。漁場の一番沖でも確認出来ました。ノリが流れるはずです。
2月16日 今日はビックリ、色は悪いはタビュラリアはいっぱい出ていた。おまけにノリがめくれなかった。ノリの色が悪くなるとノリすからうまくはがれない。最後まで乾燥機のトラブルが直らなかった。栄養塩が無くなると全てに被害が出る。関電分かっているのか?今日のノリの色はDIN3μg-at/l以下だと思う。
 バリカン症が治まったら次は色落ち、やはりノリが取れない海である。どうしてくれる姫路市、関電・・・
2月15日 楽しみにしていた2番ノリ伸びはこんなものと思うが、色が少し悪かった。栄養塩が少なくなって来たようだ。ノリ研から栄養塩データが来ていた。DIN4μg-at/l程度になっている。雨が降っているのに悪くなる。大型珪藻プランクトン(ユウカンピア)か?これは水温が8度以下になると増えるらしい。広島や岡山もこれが増えていると載っていた同時期に発生すると言う事は流れて来たものではないらしい。とは言うものの、まだここの海に発生しているとは分かっていないが、今ノリの色が悪くなってもらっては困る。最低あと30万枚は色のあるまま取らしてくれなければ・・・
2月14日 今日のノリは数は少ないが、タビュラリアも少なく綺麗に出来た。明日のノリは1月14日に張り込んだ冷凍の2番刈りのノリだ。秋芽網も少し摘む事になる。これも少しタビュラリアが入ると思う。張替えの予備網が無くなったから仕方がない。
2月13日 今朝も濃霧東から来た。その影響で帰るのが遅れた。
2月12日 「海苔タイムス」新着情報 兵庫は栄養塩は横ばい状態、西播地先の水温は8度台一部で栄養塩が3μg-at/lと低下したが今の所色落ちはしていない。(私の漁場ではありません)ユウカンピアはほとんどいない。コシノディスカスは西播の一部で若干増加、タビュラリアは秋芽漁場で依然見られる。
 九州有明海は「福岡では栄養塩回復珪藻減少色調回復へ、生産意欲増す。」「佐賀では河口漁場中心で生産中珪藻プランクトンは減少、沖合いは色調低下」「千葉ではリン不足解消、伸びは良好、色調は通常の色に戻っている。生産のピークを形成しつつある」 広島、岡山は大型珪藻プランクトン増加傾向色調低下も見られる。
2月11日 今朝ノリを摘みに行く予定で浜に出たが前日からの北西の風がまだ吹いていた。お休みになった。
 私にとっては嬉しい報告があった。3月5日兵庫県立大学環境人間学部で「第一回環境学フォーラム」が開かれる。この研究発表会に熊谷博士からお招きの報告をいただいた。この海の調査報告も予定に入っているとの事だ。待ち遠しい・・・
2月9日 初濃霧、港を出るときは見えていたが漁場に入ると見えなくなっていた。自分の影だけしか見えない状態になっていた。このような濃霧は1漁期中に多い年で3回少ない年で1回程度の割合でおきている。
2月8日 2月にしては雨量が多い良いタイミングで降ってくれた。色落ちの時期が先に伸びたと思う。こんな年に昨漁期のようにノリがよく伸びていたらと思うと情けない。すべてバリカン症が原因でとれない事は明白だ。
(新聞記事のページに記事の追加をしています)
2月6日 先週は2日しか沖に出られなかった。昨日は1月14日に張り込んだ網のノリを製造した。強風の中で伸びたノリは硬いノリであった。普通一番ノリは柔らかいものであるが環境が違うとこんなに変わるものかと思った。
 2月4日の栄養塩情報が昨日入っている。DIN7.2μg-at/l になっていた。
2月3日 今日は漁場に出られた。ノリの色はまだ大丈夫であった。
左の写真は今日写したものだ。左はしの写真は1月14日に沖に出した最後の冷凍網
が摘めるように伸びてきている。バリカン症がなければ何も問題無く伸びることが分かる。
右側の写真は、16年12月8日に張り込んだ冷凍網これはバリカン症に罹り部分的にハゲているのが見られるこの網はまだよい方だ悪い網はすでに揚げてしまっている。
予備の冷凍網175枚中60枚だけ無傷である。風向きが変わって八家川からの下水排水が流れにくくなった為伸びだした。
2月2日 今日も強い季節風。2月1日版海苔タイムスの記事兵庫の情報を紹介。「順次冷凍網へ張替え中」(依然として多いタビュラリア)『栄養塩はDIN7〜10μg-at/l この時期にしては近年珍しく十分量ある。24日の明石海峡付近の水温は11.2度で平年より1.8度高い。』
となっている。私の漁場では、網の張替えをする業者はいない。今から張り替えてもノリの色が悪くなって売れなくなるのが分かっているからだ。平成7年以降毎年種網の予備網を減らしてきている今漁期私の予備網は175枚合ったが100枚あまりは12月にバリカン症に罹り張り替えても無駄になっている。これが私の不作の原因である。
2月1日 今日も強い季節風(西よりの風)これだけ強く吹くと沖のセットが心配になる。(栄養塩も)
 2月1日版の海苔タイムスの記事を紹介、九州有明海は色落ちが、広範囲で栄養塩低下福岡ではDIN 1.7μg-at/l 佐賀では東部、中部の河口域では生産が進んでいる。栄養塩類は比較的高いレベルを維持している。南部では栄養塩の低下色落ちが発生状況は悪化。共に珪藻プランクトンが原因とあります。熊本も摘み獲りしながら色の回復まち。千葉でも珪藻の増加でリン濃度激減珪藻プランクトンの増加湾内全域で(スケレトネマ、キートセロス優占種)現在は珪藻は減少したが色調は十分には回復していない。となっている。